研究課題/領域番号 |
13680887
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研究機関 | (財)東京都老人総合研究所 |
研究代表者 |
青崎 敏彦 東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 研究室長 (70221033)
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研究分担者 |
辛 龍文 東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 受託研究員
鈴木 健雄 東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 研究員 (50306940)
三浦 正巳 東京都老人総合研究所, 自律神経部門, 研究員 (40291091)
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キーワード | 大脳皮質 / 大脳基底核 / 運動 / 線条体 / 運動野 / 線条体 / ループ / パーキンソン病 |
研究概要 |
我々の目的は線条体の局所神経回路の性質を明らかにすることであった。マウス(C57BL/6J)の生後14-21日の脳切片をを用いて線条体の2個の細胞からの同時パッチ記録を試みた。その結果、線条体において最も重要な回路は線条体の95%以上を占めるmedium spiny neuron(投射ニューロン、MS細胞)に対してparvalbumin-positive GABA interneuron(fast-spiking neuron、FS細胞)が抑制性入力を与える回路であることが明らかとなった。このFS細胞は互いにgap junctionによって電気的に結合し合いsyncitiumを形成していた。このFS細胞-MS細胞の回路の意義について検討した結果、皮質からMS細胞に入る入力のうちFS細胞に同期して入るものだけが選ばれてMS細胞の発火確率を上げることが明らかとなった。FS細胞の支配を受けるMS細胞の分布する領域は直径約100ミクロンの領域に限局していた。またFS細胞は皮質のテタヌス刺激によって長期増強を引き起こした。この長期増強はFS細胞の発火確率を上げるため、MS細胞に対して抑制性後電位の出現確率を上げ、MS細胞の活動を制御した。このテタヌス後のIPSPの出現はテタヌス前には全く見られない例でも見られ、FS細胞の支配を受けるMS細胞の機能的なcell assemblyが活動依存的に拡大することが観察された。
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