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2001 年度 実績報告書

サッケードゲイン適応の発現に関与する小脳出力系の同定

研究課題

研究課題/領域番号 13680894
研究機関筑波大学

研究代表者

岩本 義輝  筑波大学, 基礎医学系, 講師 (50184908)

キーワード小脳 / 可塑性 / サッケード
研究概要

目標点に向かう正確な視線移動を制御するサッケード系には、視覚誤差に基づいて系のゲインを変化させていく運動学習(サッケードゲイン適応)の機構が備わっている。本研究は、サッケードゲイン適応の神経機構のうち小脳出力部位から運動発現に至る部分の解明を目的とする。
本年度は、小脳出力部位である室頂核の活動の適応に伴う変化を解析した。ムシモールによる室頂核の不活性化実験の結果から、室頂核ニューロンのサッケードに関連したバースト活動は同側へ向かうサッケードの振幅を小さくするように働くと考えられた。従って、室頂核が適応に関与するならば、サッケードゲインの減少を誘発した際に同側の室頂核バースト活動が増加することが予想された。この予想を実験的に検証した。5個の室頂核バーストニューロンについて、適応前後の活動を比較したところ、サッケードゲインの減少に対応してバースト活動の増加が認められた。活動増加は、サッケード開始時点の約30ミリ秒前から約20ミリ秒後の期間で認められた。適応の全経過にわたってサッケードゲインの減少量とニューロン活動の増加量はよく似た時間経過で変化し、両者の間には有意な相関があった。以上の結果は、小脳室頂核の活動変化がサッケードゲイン適応の原因であることを示唆する。今後、小脳信号が運動指令を修飾する機構の解明に向けて実験を進めていく。室頂核ニューロンの持つ適応信号を受け取る脳幹ニューロンとして、解剖学的知見から抑制性バーストニューロン(IBN)が示唆されているが、別の種類の脳幹ニューロンの可能性もある。平成14年度は、サッケードに関連した脳幹ニューロンの活動が適応の際どう変化するかを調べる予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] K. Yoshida: "Disynaptic inhibition of omnipause neurons following electrical stimulation of the superior colliculus in alert cats"Journal of Neurophysiology. 85. 2639-2642 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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