研究概要 |
1.SD系オスラットの場合、高温状態になるほど血圧や心拍数の変動が顕著となる傾向がみられた。血圧と心拍数、自発活動量は明期に減少し、暗期に上昇する明暗リズム現象が観察され、それらのリズム現象は温度の変化にかかわらず認められた。 2.妊娠ラット(Wistar)について、通常の飼育環境下で出産直前から出産後9日間までの期間大動脈血圧の連続記録を行った。出産後のラットは、血圧と心拍数は授乳期においても明期に低く暗期に高いリズム現象が観察され、授乳期間中比較的安定した循環動態リズムを示していた。 3.室温を25℃の状態から36℃程度にまで上昇させた場合、高血圧自然発症ラット(SHR)は室温の上昇とともに血圧と心拍数は大きく変動、上昇し、36℃程度になると脈圧も増加した。 4.不織布製フィルターキャップを使用した場合、妊娠ラットは出産後、仔の成長とともにケージ内の温度と湿度は上昇した。ケージ内温度は室内よりも3〜4℃程度高くなり、湿度は7〜14%程度上昇した。 5.ウサギ(オス)の場合も、通常の飼育環境下で心拍数や体温、自発活動量は暗期に増加し、明期に減少するという明暗リズム現象が観察されたものの、それらの明暗差はラットのように明瞭なものではなかった。 6.通常の温度条件(22-24℃)から19℃以下の低温環境になるとウサギの心拍数や血圧は明期、暗期いずれにおいても上昇した。28℃以上の高温環境では心拍数は低下傾向がみられたが、血圧は上昇した。また、ウサギの体温は、飼育環境温度の上昇に伴って高くなる傾向がみられ、28℃以上の室温で体温上昇が著明であった。 7.コットンラットの体温には暗期に高く明期に低い周期性がみられ,その差は2℃程度であった。明期および暗期それぞれの時相においてもウルトラジアンリズムと考えられる特徴的な変動周期が観察された。
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