研究課題/領域番号 |
13680918
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研究機関 | 国立感染症研究所 |
研究代表者 |
松田 潤一郎 国立感染症研究所, 獣医科学部, 室長 (60181731)
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研究分担者 |
滝本 一広 国立感染症研究所, 動物管理室, 研究員 (70280766)
鈴木 治 国立感染症研究所, 獣医科学部, 主任研究官 (70235935)
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キーワード | β-ガラクトシドーシス / ガングリオシドーシス / β-ガラクトシダーゼ / リソゾーム病 / 疾患モデル / トランスジェニックマウス / ノックアウトマウス / 糖鎖遺伝子 |
研究概要 |
典型的なリソソーム性蓄積症であるβ-ガラクトシドーシスは、酸性β-ガラクトシダーゼ(β-Ga1)の遺伝子異常に基づく2つの疾患、すなわちGM1ガングリオシドーシスとモルキオB病からなる。私たちはすでにβ-Ga1ノックアウト(KO)マウスを作成し、中枢神経症状を呈する重症型のGH1ガングリオシドーシスモデルであることを示している。本研究では、よりヒトの病気に近いモデルとして、β-ガラクトシドーシスの重症度、発症時期などの異なる多様な臨床型に対応するモデルマウスを作出し、さらにガングリオシド合成能を高めることで蓄積が早期に起こり発症が早くなるような病態モデルを作成し、治療法開発に有用な疾患モデル動物の開発を行うことを目的とした。本年度の成果は次の通りである。(1)幼児型、成人型に対応した残存酵素活性の認められるヒト変異β-Ga1トランスジーンをβ-Ga1KOマウスの遺伝的背景に導入し、ヒト成人型変異β-Ga1を発現するKO/Tgマウス2ライン、ヒト幼児型変異β-Ga1を発現するKO/Tgマウス1ラインを作出した。各系統によって変異酵素の発現量に差が認められ、1ラインはβ-Ga1KOマウスと同様の神経症状を呈し10か月齢までに死亡し、他の2ラインは12か月齢まで特に異鴬を示さなかった。(2)ガングリオシドGM1合成に関わる、GM1/GA1合成酵素遺伝子についてラットの情報を元にcDNAを含む全長1.2kbのマウス遺伝子をPCRクローニングし、多発現ベクターCAGに挿入し、トランスジェニックマウス作製用のDNAフラグメント3.5kbを準備した。今後GM1過剰合成マウスが作出され、また、ヒト変異酵素のみを発現し残存酵素活性を示すヒト型疾患モデルマウスとの交配実験から、多様な病態モデルマウスが得られるものと期待される。
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