研究分担者 |
宇野 彰 国立精神・神経センター, 精神保健研究所, 室長(研究職) (10270688)
湯本 真人 東京大学, 医学部附属病院, 助手 (30240170)
岩波 明 東京大学, 医学部附属病院, 助教授 (80276518)
越田 一郎 東京工科大学, 工学部, 教授 (00192055)
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研究概要 |
本研究においては,人間における知能や言語能力に関連した前意識過程における空間認知機能を取り上げ,特に人の知能と言語能力との関係や,それら能力の障害機構を,主として左右両側聴覚系の神経・シナプス回路モデルの作成とシミュレーションを通じて明らかにし,さらに言語・非言語および空間認知の同時処理過程における脳波・脳磁図などの脳機能情報の解析を通じて,モデルの妥当性を検証することにより,これら障害の客観的評価法の確立を目差した。 前年度に引き続き以下の5項目について成果を得た。 1.神経・シナプス回路モデルにおける受容体におけるアセチルコリン,グルタメート,セロトニンなどの複数の神経伝達物質・調節物質の共働作用に着目して,脳誘発電気活動,脳機能,知能・言語障害,さらに精神治療薬・知能改善薬の化学的成因の関連性を求めた。 2.知能・言語障害の検査および定量化法の開発のため,これまでの言語・知能検査課題をオンライン化し,さらに視覚映像・音声同時呈示を可能として,言語・非言語認知の視覚機能・聴覚機能のみならず視聴覚相互作用をも解析可能とした。 3.多チャンネル脳波・脳磁図から抽出された頭皮上分布の特徴パタンのうち,特に3次元Scalp Current Densityマッピングと複数発生源の同定を,中間潜時成分ごとに行うプログラムを完成させ,時系列解析を行った。 4.脳活動情報に関して得られた種々の時間空間解析結果を頭部モデルへ動的マッピングを行うアルゴリズムを確立した。 5.上記の成果を基に,知能・言語障害評価法の前意識過程における脳内機構基づく知能・言語障害評価法開発を行い,臨床および工学応用をはかった。
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