研究課題/領域番号 |
13680931
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研究機関 | 名古屋大学 |
研究代表者 |
松崎 雄嗣 名古屋大学, 工学研究科, 教授 (70175602)
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研究分担者 |
竹内 健二 藤田保健衛生大学, 医学部, 講師 (40298526)
池田 忠繁 名古屋大学, 工学研究科, 助教授 (40273271)
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キーワード | 発声の力学モデル / 発声機能検査 / 声帯 / 喉頭麻痩 / 声門上・下圧力 / 喉頭ストロボスコピー |
研究概要 |
平成14年度には、前年度の工学と医学の手法の相互理解に基づいて行った正常と疾患時の発声の基礎的な課題に関する予備的な研究の成果を踏まえて研究を発展させた。 1.名古屋大学においては、正常な発声の左右対称な声帯解析モデルの詳細なパラメータの特定を行うため、声帯の質量、形状、剛性の分布を変えて発声のシミュレーションをさらに進めた。また、患者の計測データを踏まえて、振動する左右非対称な声帯の間を通る空気流の非定常モデルの解析と計算プログラムの改良を行った。購入した解析用計算機を用い、非対称性の影響を明らかにし、疾患のより詳細なモデルを構築した。 2.藤田保健衛生大学においては 正常と喉頭麻痩の声帯振動メカニズムを空気力学的に明らかにするため、声門上・下圧、呼気流率の測定を行った。上・下圧計測は経鼻的に声門上・下腔に挿入した微少差圧計カテーテルを用い、発声機能検査装置にデータを取り込み、声帯振動はelectroglottogram(EGG)を用いて記録した。典型的症例に対しては喉頭ストロボスコープを用いて声帯の振動パターンの直接的な観察も行った。喉頭麻痘症例においては、声門上・下圧の微細振動波形とEGG波形の位相は正常者と同様に一致していたが、声門の閉鎖不全のため高周波成分が顕著で、声帯振動は左右非対称で不規則であった。 3.今後、上述の成果をさらに精査して両大学が共同して研究を発展させる予定である。
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