研究概要 |
本年度は,導入したハードウェア環境の整備と以前から進めて来ていた応用ソフトウェアの開発に関連した部分を中心として下記の通り研究開発を行った. 1.標準的仕様のパーソナルコンピュータを購入し,この上にフリーソフトウェアを用いて3次元画像処理と表示が可能な環境を構築した.具体的には,OSとしてGNU/Linux,表示のためにはX-Window SystemとOpenGLを用いて環境を整備した.これにより,安価なグラフィックカードを用いたハードウェアレンダリングが可能であった.また,WindowsやMacなど他のプラットホームとの互換性をとることも容易であった. 2.上記環境において,ソフトウェアによる高速ボリュームレンダリングを行った.また,従来型の4次元表示が可能であることを確認した.また,ボリュームレンダリングが可能なハードウェアにより従来型の4次元表示が高速に行えることを確認した. 3.MRIを用いた心臓の4次元イメージングシーケンスを開発し,その試験を行った.数秒の息止めの間に2時相の3次元タギングデータの取得が可能であることを確認した. 4.4次元CTデータから,左心室(並びに右心室)を自動的に抽出する手法を開発した.このなかで,4次元スムージング法,4次元領域拡張法,4次元モルフォロジーフィルタについて検討した.左心室の自動抽出については,一定の目処が立ったと考えている. 5.心電図同期心筋SPECTと冠動脈造影像を重ね合わせるためのシステムを構築した.同システムにおいて動画像を重ね合わせる(4次元再構成)ための検討に着手した. 6.術前3次元CT像と術中のX線透視像重画を重ね合わせるための基礎的検討を行った.
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