研究概要 |
本年度についても下記に示すように引き続き応用システムの開発を中心に課題に取り組んだ.基盤ソフトウェアについては,ライブラリとして公開するまでには至らなかったが,具体的システムについて多くの成果を得た.また,本研究の一部は本年度発足の特定領域研究「多次元医用画像の知的診断支援」における計画研究に引き継がれることとなる. 1.4次元画像取得に関連して 心機能解析のためのMRI4次元データ取得に際し擬像を削減できる新しい撮像法により,正常被験者の心臓動画像を取得してその処理を試みた. 2.4次元表示に関連して 新しい4次元表示のために,狭窄や動脈瘤に影響されることの無い血管芯線の抽出について検討してきたが,それを発展させコントラストの低い細い血管までを抽出する手法を開発した. 3.4次元画像処理に関連して 複数の正常被験者の心臓MRI4次元データをそれぞれ複数回取得し,位置合わせを行なうことにより,時空間解像度の向上を試み,良好な結果を得た. 4.応用システムの例 (1)4次元心臓MRI像からの定量情報抽出システム 4次元心臓MRI像から心臓領域を抽出し,左室容積の変化などの有用な情報の抽出を行なった.心臓領域抽出では,心基部や心尖部での特徴に応じて抽出手法を使い分けることが有用であった.また,乳頭筋や右室の抽出も試み,一定の成果を得た. (2)術中X線透視動画像に同期した3次元CT画像表示 3次元CT像とX線透視動画像の位置合わせを実現するための評価用オフラインシステムを試作した.また,同システムの位置合わせ精度について,臨床データを用いた評価を行ないその有効性を示した.
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