研究課題/領域番号 |
13680940
|
研究機関 | 香川医科大学 |
研究代表者 |
岡田 宏基 香川医科大学, 医学部附属病院, 助教授 (00243775)
|
研究分担者 |
原 量宏 香川医科大学, 医学部附属病院, 教授 (20010415)
藤田 次郎 香川医科大学, 医学部附属病院, 講師 (80209056)
千田 彰一 香川医科大学, 医学部附属病院, 教授 (30145049)
汐崎 陽 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (40103345)
小林 隆一 香川医科大学, 医学部附属病院, 助手 (60314936)
|
キーワード | 睡眠時無呼吸症候群 / 在宅測定 / スクリーニング / 精度管理 / データ送信システム / 公衆電話回線 / 企業・地域検診 |
研究概要 |
睡眠時無呼吸症候群(SAS)は、有病率が1-2%と推定されている比較的頻度が高い疾患群であるにもかかわらず、診断の確定には入院下でのpolysomnographyを必要とするため、診断をなされないで経過している患者が多く残されている。SASのスクリーニングは、呼吸情報のみを記録する簡易型測定装置で、家庭すなわち日常生活環境下で測定することで代用できる。しかし、家庭での測定は測定精度が低下することが予測されるため、患者の来院なしにその精度を確認する目的で、検査データを公衆電話回線で家庭から医療機関に送信するシステムを開発した。 簡易型測定装置にはフクダ電子社のLT-200を用いた。CFカードに記録された測定データをノート型パソコンに取り込み、約半分のサイズに圧縮して、医療機関に設置したサーバパソコンにダイヤルアップで送信する。送信は4-6分、ほぼ2通話以内で行え、患者の通話料負担は少ないと考えられた。 近隣の企業にて昼間の眠気やいびきなど有症状者に対して家庭での測定を行い、検査精度を調査した。その結果、センサー類の装着に十分な説明を行うことで、ほぼ良好な測定が行えたが、一部センサーの感度低下や、部分的脱落が見られた。このことから、家庭での測定では精度管理が不可欠であり、しかも患者に負担をかけないデータ送信による方法は意義があると考えられた。 耳鼻科での手術症例は、術後経過を見るために数ヶ月後に再検査を行うことが望ましいが、症状改善後の入院精査は同意が得られにくい。この際にも家庭で検査を行うことで、長期にわたる術後経過観察が可能となる。 データ送信システムはまた、企業や、地域での検診を効率的に行えるシステムとしても利用が可能であり、治療対象者を速やかに検出するためにも有意義なシステムであると結論した。
|