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2002 年度 実績報告書

移動体通信技術を用いた体内埋込型人工心臓の遠隔的早期異常診断システムの開発研究

研究課題

研究課題/領域番号 13680951
研究機関北海道東海大学

研究代表者

岡本 英治  北海道東海大学, 工学部, 助教授 (30240633)

研究分担者 山家 智之  東北大学, 加齢医学研究所, 助教授 (70241578)
吉澤 誠  東北大学, 大学院・工学研究科, 教授 (60166931)
三田村 好矩  北海道大学, 大学院・工学研究科, 教授 (70002110)
キーワード人工心臓 / 遠隔医療 / 移動体通信 / 電子聴診システム / 異常診断
研究概要

我々は体内埋込型人工心臓の早期異常診断の確立を目的に,人工心臓発生音の変化より人工心臓アクチュエータの劣化を把握する体内埋込型人工心臓用電子聴診システムの開発を行ってきた.東京大学の波動型完全人工心臓(UPTAH)を用いた山羊による動物実験を行ったところ実験室内の音が雑音として人工心臓発生音に混入してしまい異常診断の自動化に大きな支障となることが分かった.生体組織の音伝搬特性はローパスフィルタの特性を示すであろうことは容易に推測されることであり,このことを利用することで雑音信号のうち高周波分を効率的に除去できる可能性がある.そこで本研究では,ローパスフィルタの特性を示す生体組織音伝達特性をデジタルフィルタで模擬し,体外で混入した高周波領域の雑音成分を効率的に除去する方法を考案した.
胸腔内に埋め込む人工心臓を対象に,人工心臓-体表上集音部間の生体組織音伝達特性を佐相らのモデル解析法を用い,山羊(45kg)胸腔内へのUPTAHを埋め込みを対象に計算を行った.その結果生体組織の音伝搬特性は,遮断周波数850Hzの2次型ローパスフィルタの特性を有していることが分かり,人工心臓発生音信号のうち,850Hz以上の周波数成分は強制的に除去しても人工心臓の異常診断には何の支障もないと結論付けた.
この理論計算を元に,この生体組織音伝搬特性を模擬した遮断周波数850Hzの2次型ローパスデジタルフィルタをMatlab上に製作し人工心臓発生音から高周波成分の除去を試みた.その結果,高周波成分除去後に人工心臓発生音を聞いたところ,周囲の話し声や計測装置から発する音が効率的に除去されており,医師や技術者の聴診による人工心臓異常診断を大いに改善できるものと考えられた.ただし,人工心臓発生音と周波数帯域が重なる雑音は除去されておらず,次年度の研究課題として残された.

  • 研究成果

    (4件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (4件)

  • [文献書誌] E Okamoto: "Optimum selection of an implantable secondary battery for an artificial heart by examination of the cycle life test"ASAIO Journal. 48. 495-502 (2002)

  • [文献書誌] 岡本英治: "組織音伝搬特性にもとづく体内埋込型人工心臓用電子聴診システムのフィルター設計"第17回生体生理工学シンポジウム論文集. BPES2002. 163-164 (2002)

  • [文献書誌] 岡本英治: "移動体通信技術を用いた体内埋込型人工心臓の遠隔的早期異常診断システムの開発研究"東海大学総合研究機構報告. 26. 179-183 (2002)

  • [文献書誌] 橋本琢也: "CAD/CAM技術と数値流体解析を応用した体内埋込拍動型人工心臓の設計開発"電子情報通信学会技術研究報告. 102(137). 45-48 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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