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2001 年度 実績報告書

細胞シート工学による培養人工尿細管の開発

研究課題

研究課題/領域番号 13680954
研究機関東京女子医科大学

研究代表者

大和 雅之  東京女子医科大学, 医学部, 講師 (40267117)

研究分担者 清水 達也  東京女子医科大学, 医学部, 助手 (40318100)
キーワードポリ(N-イソプロピルアクリルアミド) / 温度応答性表面 / 細胞シートのマニピュレーション / 腎上皮細胞 / 尿細管 / バイオ人工腎
研究概要

我々は、温度に応じて水との親和性を大きく変化させる温度応答性高分子であるポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)を培養皿表面に共有結合的に固定化することにより温度応答性培養皿を開発した。この表面は、37℃では市販の培養皿と同程度の弱い疎水性を示し様々な細胞が接着・伸展するが、温度を32℃以下に下げると高度の親水性を示し、トリプシンなどのタンパク質分解酵素を必要とすることなく細胞を脱着させることができる。コンフレントな細胞層を形成させた後に低温処理すると、全細胞を細胞-細胞間接着により連結した一枚の細胞シートとして脱着を・回収することができる。本研究は新しいハイブリッド型人工尿細管の開発をめざして、温度応答性培養皿を用いて作製した腎尿細管上皮細胞シートを多孔膜上に再接着させ、再吸収能・物質産生能の機能評価をおこなう。本年度に以下の成果を得た。
(1)再吸収能の非侵襲的定量化法の開発。二槽型の灌流チェンバーの槽間のインタフェースに腎上皮細胞シートを設置し、二槽間の物質移動を定量するシステムを構築した。予備的な電気伝導性の計測を終了し、現在各種生理分子の移動速度を定量中である。(2)多孔性膜の最適化:腎尿細管上皮細胞シートを再接着させる平膜型透析膜を最適化した。透析膜は電荷の有無により再接着性に多きな差があることを見い出した。(3)温度応答性培養皿から回収した腎尿細管上皮細胞シートの多孔性膜への再接着技術の最適化:将来の機械化へ向け、再接着技術の向上を目指した。キャリヤーは移動の手技に若干の違いがあるもの、キャリヤー内の孔径の違いはあまり影響が出ないことが分かった。キャリヤーに要求されるのは、手技に大きく要求される柔軟性と適度な親水性であった。
以上により、次年度に作製したデバイスの定量的評価を完成させる。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] Utsumi K: "Alteration of collagen IV in acutely deteriorated renal allografts"Transplantation. 71・12. 1757-1765 (2001)

  • [文献書誌] Kushida A: "Two-dimensional manipulation of differentiated Madin-Darby canine kidney(MDCK)cell sheets : the noninvasive harvest from temperature-responsive culture dishes and transfer to another surfaces"J. Biomed. Mater. Res.. 54. 37-46 (2001)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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