研究課題/領域番号 |
13680957
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研究機関 | 近畿大学 |
研究代表者 |
杉山 一男 近畿大学, 工学部, 教授 (00088577)
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研究分担者 |
岡田 清孝 近畿大学, 医学部, 助手 (20185432)
松尾 理 近畿大学, 医学部, 教授 (40030879)
白石 浩平 近畿大学, 工学部, 助教授 (10196602)
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キーワード | poly(2-hydroxypropylmethacrylamide) / poly(isopropylacrylamide) / 感熱性ポリマー / 光応答性ポリマー / プラズマ照射-ポスト重合 / HeLa細胞の接着・増殖 / 熱刺激細胞剥離 / 光刺激細胞剥離 |
研究概要 |
人体組織の再建を目指すティッシュ・エンジニアリング(組織工学)で重要となる人工細胞外マトリックスあるいは細胞の分化・増殖に必要な各種因子のタイミングリリースや細胞への栄養供給がスムーズに行なう足場材としての刺激(光、熱、pH)応答性ポリマーヒドロゲルの開発に関する以下1、2の基礎・応用研究を行った。 1.生体適合性材料poly(N-2-hydroxypropylmethacrylamide)[poly(HPMA)]にMMAを共重合して温度応答性を、またアゾベンゼン基をもつモノマー(MAHP)あるいはクロロフィリン銅錯体(Chlph)を共重合して光・熱応答性のコポリマー(ゲル)に誘導した。さらに、poly(O-methacryloyl-L-serine)[poly(SerMA)]の共重合によってpoly(N-isopropyl-acrylamide)[poly(NiPAAm)]コポリマー(ゲル)に温度・pH応答性を付与した。HPMA/MMAコポリマーゲルが栄養モデルのアミノ酸誘導体を温度によって放出制御可能であったことから、これらポリマーが温度、光、pH刺激によって各種物質の放出を制御できる足場材としての有用性を示した。 2.アクリルアミド系モノマーを含むポリマーが接着成分として有用で、化学物質や細胞接着の制御の成分として利用可能であることを明らかにした。また、プラズマ処理-ポスト重合法によりこれら上記ポリマーを表面修飾したフィルムが温度、光、pH応答性を示すことを明らかにした。さらに温度応答性フィルム上で、HeLa細胞が組織培養ポリスチレン同様の接着・増殖を認め、温度刺激によってHeLa細胞をコントロールとしたpoly(NiPAAm)表面修飾フィルムの細胞剥離量の40%から80%以上になる剥離性能性能の向上を認めた。このとき剥離細胞は増殖能が十分に保持されており、細胞増殖・剥離用基材として必要な諸性質を具備する材料であることを認めた。
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