研究概要 |
骨類似マトリックスかの骨再生因子の一つである亜鉛などの生体内必須微量金属の細胞分化における役割に着目し,これらを骨組織近傍あるいは骨随腔に亜鉛を放出することにより骨細胞を分化誘導し骨再生を活性化することを試みる.生体薬理活性を持つ材料として開発された活性ガラスセメントは骨再生を促進する人工骨材料として注目されているこのセメントを単独あるいは、コラーゲンあるいはBisGMAなどの合成高分子などと混合し,粉砕することによりナノレベルの微粒子化が有機物マトリックスに分散した複合化セメントを調製した.これらのセメントにモデル薬物として抗生物質セファレキシンを含有させて薬物の放出制御を行い,生体親和性の高い骨セメントからの薬物徐放化をさせること可能となった.これらのセメントの内部構造は,高分子マトリックス中に数百ナノメータのアパタイト微粒子が分散し,その間隙をナノメータ単位の微細な空隙が迷走しいる構造であることが示された.これらの骨類似マトリックスからの薬物放出は,骨生成をつかさどる細胞への刺激因子として重要な役割を担うと思われる.合成高分子などと混合し,粉砕することによりナノレベルの微細構造をさらに制御したマトリックスを得ることができることが示された.
|