研究課題/領域番号 |
13680959
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研究機関 | 川崎医科大学 |
研究代表者 |
小笠原 康夫 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (10152365)
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研究分担者 |
藤本 勝邦 川崎医科大学, 医学部, 助教授 (80106351)
矢田 豊隆 川崎医科大学, 医学部, 講師 (00210279)
山本 徳則 川崎医科大学, 医学部, 講師 (20182636)
梅谷 啓二 高輝度光科学所究センター, 放射光研究所実験部門, 主幹研究員(研究職) (50344396)
梶谷 文彦 岡山大学, 大学院・医歯学総合研究科, 教授 (70029114)
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キーワード | 放射光 / Micro CT / 腎糸球体 / 三次構造 / 微小循環 |
研究概要 |
本研究は、腎臓皮質から腎内層部に至る微小血管網の三次元構造を一括立体画像化し、血管構造・容量分布を解析検討することを目的として実施した。最終年度は病態モデルラットを作成し、標本作製後にデータ解析を行った。腎標本の作成:対象は初期糖尿病モデルをまず対象とした。28週齢のOLETFラット(n=5)と、control群として同週齢のLETOラット(n=5)対象は初期糖尿を用いた。初年度に検討したプロトコルにしたがって固定標本を作製した。腎皮質側からくりぬいたsample(φ4mm円柱)を作成した。micro-CTによる撮像と画像解析:作成したsampleをmicro-CTで撮像した。回転角度ステップを0.5度として180度まで回転して、各々の角度から投影像を撮像(合計360枚)した。これらの画像を再構成してCT断層像を再構成し解析した。この際、Validation Studyのため、任意のCT二次元画像をそれに一致する面で切り出した実体顕微鏡像と比較して、撮像および再構成が正しくできていることを確認した。CT画像を三次元表示し、ランダムに抽出した計400個の糸球体の容量の計測解析を行った。糸球体容量は絶対値と体重による基準化値(mean±SE)および変動係数(CV ; SE/平均値)で評価し、これらのパラメータを両群間で比較した。OLETFではLETOに比し、有意な平均糸球体容量の増大と糸球体容量分布の著しい不均一性を示した。本法により全皮質内糸球体の三次元可視化と糸球体容量の定量解析を確立し、糖尿病糸球体形態異常の特徴が明らかとなった。これらの研究成果を国際BME学会にて研究代表者が発表(2002年12月,シンガポール)し、優秀論文賞を受賞した。
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