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2001 年度 実績報告書

メンタルヘルス獲得への音楽聴取の効果に対する覚醒動機づけ及びパーソナリティの影響

研究課題

研究課題/領域番号 13710047
研究種目

奨励研究(A)

研究機関山陽学園大学

研究代表者

松浦 美晴  山陽学園大学, 国際文化学部, 講師 (00330647)

キーワードメンタルヘルス / 音楽聴取 / 心理反転理論 / パーソナリティ特性 / 覚醒水準 / 感情状態
研究概要

メタ動機づけ状態とは,Apterの心理反転理論(1982)で提唱された概念であり,主なものは,低覚醒を好ましいと知覚するtelic状態,高覚醒を好ましいと知覚するparatelic状態の2つである。本研究は,メンタルヘルス獲得のための音楽聴取の効果に対するメタ動機づけ状態を介しての聴取者のパーソナリティ特性の影響を明らかにしようとする。平成13年度は次のことを行った。
1,Telic-Paratelic状態測定自己報告尺度(Cookら,1993)の日本語化を試み次の結果を見出した。(1)日本語化した自己報告尺度で測定したPlayfulness(paratelic状態の度合いを示す尺度)得点はポジティブかつ覚醒的な楽曲の聴取後に減少しポジティブかつ鎮静的な楽曲の聴取後に増加した。(2)Arousal preference(高覚醒への志向を示す尺度)得点は楽曲を聴取するたびに減少した。(3)以上から,音楽聴取によりpatatelic状態での高覚醒への動機づけが緩和されると考察された。(4)日本語化した尺度の内的整合性に改善の余地が残された。
2,これまでの調査結果をまとめ新たに考察し発表した。(1)日常の音楽聴取行動についての学生による記述を分類し,2つの次元「何かが足りないという欠如の感覚の度合い」「状況の要請への適応の水準」を見出した。これら2つの次元がストレス状況に対し個人の採用する対処方略を示している可能性がある。(2)刺激への希求が音楽聴取行動に結びつく場合がある。(3)以上から,音楽聴取行動場面とパーソナリティ特性との関連が考えられる。
(3)についての調査を実施中であり次年度も継続する。
3,次のことを明らかにするため生理指標と質問紙指標を用いた実験を実施中である。(1)聴取者のパーソナリティ特性と音楽聴取時のメタ動機づけ状態との関連。(2)音楽聴取時の交感神経緊張増大と快・不快感情の変化との対応関係に対する,メタ動機づけ状態による影響。(3)音楽聴取時の交感神経緊張増大と,2つのタイプの覚醒状態すなわちエネルギー性覚醒と緊張性覚醒のそれぞれとの関連。次年度はさらに精神的負荷の大きさが異なる条件を設定し実験を継続する予定である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 松浦美晴: "学生の日常生活における音楽聴取行動に対する自由記述アプローチから浮かび上がるクラスターと次元"日本音楽療法学会誌. 2・1. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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