| 研究概要 |
本年度は,心理学的実験を利用し,視覚情報処理が並列的なサブシステムによってなされているという観点から,加齢による機能低下のメカニズムの解析をおこなうための予備実験を行った.より具体的には,視覚刺激に対する単純反応時間を指標とし,刺激の時空間的特性ならびに順応輝度レベルを組織的に変化させることによって,すでに視覚心理学的に分離されているサブシステム,すなわち定常系と過渡系の各々にどのように選択的な機能低下が生じるかを解明することを試みた.実験では,若年被験者について,視覚的に呈示される刺激に対する単純反応時間を測定した.刺激のコントラストを,その検出閾でノーマライズした形で変化させて反応時間を求め,その結果から反応時間のコントラスト依存曲線を導出した.
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