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2002 年度 実績報告書

日本人青年における「甘え」とアイデンティティ形成に関する研究

研究課題

研究課題/領域番号 13710071
研究機関神戸大学

研究代表者

谷 冬彦  神戸大学, 発達科学部, 助教授 (70320851)

キーワード甘え / アイデンティティ / 青年期
研究概要

本年度は,昨年度行った研究をまとめるとともに,より発展させた研究を行った。
谷(2001)の多次元自我同一性尺度(Multidimensional Ego Identity Scale ; MEIS)の下位尺度標準化得点を変数として用いて,k-means法によるクラスター分析を行った結果,安定した4クラスターが得られた。クラスター1は,「対他的同一性」が高い値であるものの,「対自的同一性」が低い値をとっているということが特徴的な群であった。このクラスターは,「自分がどうなりたいのか」という「対自的同一性」が,あいまいな群といえるため,「自己探索」群とした。クラスター2は,「対他的同一性」が低く,「対自的同一性」が高い値をとっているのが最も特徴的であり,同一性の対自次元が強調されており,対他次元が低いことから,「自己志向」群とした。クラスター3は,4下位尺度標準化得点すべてが高い群であり,「同一性形成」群とした。クラスター4は,4下位尺度標準化得点すべてが低い群であり,「同一性拡散」群とした。この研究結果は,日本心理学会第66回大会にて発表した。
また,「甘え」とアイデンティティの関連について再検討したところ,「対自的同一性」と「対他的同一性」において交互作用がみられ,相関のような直線形モデルによって検討することが適当でないことが示唆された。そこで,上述のクラスターに分けて,検討を行ったところ,「対自的同一性」と「対他的同一性」の得点が逆転している「自己志向」群と「自己探索」群において,「屈折的甘え」が高いレベルを示すという特徴がみられた。この研究結果は,日本教育心理学会第44回総会にて発表した。
さらに,日独の比較文化的研究を行ったところ,「対自的同一性」と「対他的同一性」の得点が逆転するのは,日本文化の所産であることが示唆されている。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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