研究概要 |
提供されるサービスの質が,サービスを提供する人材の質の影響を受けることは,社会福祉領域の実践者の間で,経験的に広く知られている事柄である。しかし,現在の現任研修によりスキルアップされるはずのホームヘルパーの質が,研修効果としてどのように変容するのかについては,これまでほとんど検討されていない。特に,現任ヘルパーへの研修・教育の効果についての,縦断調査による計量データを基にした実証的な研究は,これまでのところまったく取り組まれてはいない。 そこで,本研究は,現在実際に活動しているホームヘルパーに対する現任研修に関し,1)研修効果の質的側面を評価する概念枠組みを新たに設定すること,2)その枠組みに含まれる概念の測定尺度を開発すること,3)効果評価結果を基にした有効な研修プログラムを開発することの3点について,実証的かつ縦断的に検討を行なうことを目的とした。 以上のような研究目的のもと,本年度は,分析を行なうためのデータの収集を主に行なった。具体的な分析データは,15の研修実施主体が実施する「ホームヘルパー養成研修」の参加者を対象とした調査を実施し,収集した。調査には,質問紙法自記式の集合配布・留置・郵送回収の方法を用いた。調査では,同一の調査対象者に対し,研修参加前後の2時点で測定を行ない,研修の開始時期に併せて,2001年9月から順次測定を開始した。 現在,第2次調査(研修参加後の測定用調査)の実施中であり,すべての研修実施終了後,回収されたのデータの分析を開始する予定である。
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