長野県松本市において、介護保険と社会生活に関する意識調査を実施した。対象者は、2000年12月31日現在で69歳以下の有権者。予備サンプルを含む計画サンプルは1000名(男女各500名)である。二段無作為抽出法により、投票区を単位として調査地点40を確立比例抽出し、各地点から25名を選挙人名簿を用いて等間隔無作為抽出した。実査期間は2001年8月28日から9月27日で、有効回収数は654、予備サンプルおよび非該当ケースを除いた計画サンプル960を分母とする回収率は68.1%であり、郵送法による調査としてはたいへん良好な回収状況であった。 調査活動への正しい理解が得られるように、回答者には2月に8ページのレポートを郵送してお礼を伝えた。 調査項目は、介護保険制度の諸側面への意見・態度のほか、高齢時の不安感、公的年金制度への信頼、家族のあり方等であり、他にフェイス・シート項目として職業、教育年数、居住年数、世帯収入、家族構成などを尋ねた。 本年度はデータ・クリーニングを厳密に行い、諸変数間の関連についての分析については次年度の課題となっているが、単純集計および1999年に行った調査との比較からは、以下の点が明らかとなった。 (1)保険料に関する知識は増えているが、制度の内容への理解は向上していない。(2)家族外サービスへの抵抗感は低下している。(3)介護保険が自分の将来生活に役立つという意識は低下している。(4)保険料が高くなることへの不安感が高率で存在している。(5)福祉サービスの提供状況の改善はあまり認識されていない。(6)弱者への負担が重すぎる制度であるとかなり強く認識されている。
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