本研究は、高等学校入学者選抜制度の中でも「調査書(内申書)」を重視した選抜方法に関して、社会学的に、また実証的に検討することを目的として遂行されてきた。研究初年度の平成13年度においては、1)入試政策担当者および中学校教員へのインタビュー、2)高校1年生へのアンケート票作成および予備調査の実施、3)韓国における資料収集、の3点を交付申請段階の課題としており、実際の研究実施状況は以下のようにまとめられる。 1)においては、さしあたり群馬県教育委員会の高等学校入学者選抜に関する担当者を訪問し、インタビュー調査を実施するとともに、高校入試関連の資料・データの収集を行うことができた。また中学校教員についても、インフォーマルに聴取を開始し、現在進行中である。これと並行的に、2)に関して、高校入試に関するアンケート調査のパイロット版を作成し、予備調査を実施した。これにより、次年度の本調査に向けての大まかな傾向を分析検討している段階である。なお、3)に関しては、国際状況を鑑みて渡航を断念したが、日本国内の諸資料、諸文献を収集し、整理を行った。 本年度中に収集した情報・資料等は徐々に整理している段階であり、インタビューや公的資料などに関しては、次年度においても継続的に収集活動を継続するが、本年度の収集資料・情報をもとに来年度は本格的な質問紙調査を実施し、最終的には、研究論文として来年度中に取りまとめる予定である。
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