研究概要 |
初年度は,アメリカの州立大学財政に関する訪問調査と資料収集を行った。州立大学はその法的地位によって(1)州政府の一機関(agencies),(2)州法によって法人格を与えられた公法人(public corporations),(3)州憲法によって法人格を与えられた憲法上独立した法人(constitutionally independent corporations)に大別されるが,本年は,特に,(2)(3)の機関の調査を行うために,カリフォルニア州において現地調査を実施した。特に,a)大学システムレベルの予算過程,b)学内における予算配分・評価システム,c)学生援助システム,.についてインタビュー調査を行い,関連資料を収集した。 まず,(3)のタイプの大学の管理運営と財政については,カリフォルニア大学総長室,カリフォルニア大学バークレー校,同ロサンゼルス校を訪問し,インタビュー調査を行った。また,(2)のタイプの大学の管理運営と財政については,カリフォルニア州立大学総長室においてインタビュー調査を行った。さらに,カリフォルニア中等後教育委員会,カリフォルニア学生援助委員会を訪問し,カリフォルニア州の高等教育政策の政策形成過程と政策評価,学生援助システムについて調査を行った。 これらの調査に加えて,第11回世界比較教育学会(韓国国立教育大学)へ出席し,各国の高等教育財政研究者と意見交換を行うとともに,本年度の成果の一部を広島大学高等教育研究開発センター『大学論集』第32集へ発表した。
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