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2001 年度 実績報告書

戦後における国民教育の再構築に関する教育実践史研究

研究課題

研究課題/領域番号 13710170
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東京都立大学

研究代表者

小国 喜弘  東京都立大学, 人文学部・心理教育学科・教育学専攻, 助教授 (60317617)

キーワード国民 / 教育 / 歴史学 / 戦後 / 国民的歴史学
研究概要

本研究の目的は、日本国の敗戦を迎えた1940年代半ばから高度経済成長期の60年代までにおいて、国民教育の論理がどのように再構築されたのかを明らかにすることにある。特に民主主義を標榜した戦後において軍国主義下の戦前期よりも閉鎖性の高い国民化への志向がみられたのはなぜかを明らかにすることを個別的な実践の事例に則して明らかにすることを試みてきた。今年度は、1950年代の民主主義科学者協会が主導した国民的歴史学運動を取り上げ、その運動における国民化の位相を明らかにしようとした。
より具体的には、国民的歴史学運動の代表的な実践とされてきた二つの取り組みを取り上げた。
(1)東京都立大学歴史学研究会による秩父農村研究の取り組み(「石間をわるしぶき」)とその代表者加藤文三の歴史教育実践の分析
(2)岡山県久米郡柵原町における月の輪古墳発掘運動と運動に参加した教師中村常定の杜会科教育実践の分析
二つの事例とも、現地調査を通して丹念に資料を収集した他、当時の関係者への詳細な聞き取りを実施し、これまでの研究史において明らかにし得ていなかった事実を多数掘り起こすことができた。(1)の事例に則していえば、講和条約発効後も引き続きアメリカ軍が駐留する中で、事実上の植民地状態にあるという認識が対米独立とそのための民族自立という課題意識を募らせ、被植民地人であるという認識が、「苦しみ」の連帯とでもいえるような受苦的共同体を構想させることを通して、国民的一体性が担保されようとしていた。(2)については引き続き調査中である。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 小国喜弘: "国民的歴史学運動における「国民化」の位相"人文学報. 326号. (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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