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2002 年度 実績報告書

エチオピア南部における民族の難民化に関する人類学的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13710182
研究機関弘前大学

研究代表者

曽我 亨  弘前大学, 人文学部, 助教授 (00263062)

キーワード避民 / エチオピア / ガブラ / 民族関係 / 歴史 / ライフ・ヒストリー
研究概要

平成14年8月2日から10月17日にかけて、エチオピア南部のSurupa町を中心に避難民生活を送っているガブラ・ミゴの人々を対象に現地調査をおこなった。ガブラ・ミゴは精度の高い太陽暦を持っており、各年には固有の名称がついている。今年度もこの太陽暦を活用しつつ、次の3点の調査を重点的におこなった。
(1)ライフ・ヒストリーの収集:ライフ・ヒストリー調査をおこない、個々人の難民経験や、民族関係や中央政府との直接的な経験を記録した。とくに今年度は、二つの民族運動によって、近隣の民族がオロモ化(ボラナやグジ)やソマリ化(ガリ)を進めるなか、ガブラ・ミゴが自らのアイデンティティをどのように構築してきたかに焦点をあてた。
(2)アイデンティティの変更に関わる参与観察:ライフ・ヒストリー調査から、近年、ガブラ・ミゴは、いったん獲得したオロモ・アイデンティティを捨て、ソマリ化を遂げつつあることが判明した。そこで調査期間中に開催された民族全体会議に出席し、アイデンティティの変更について参与観察した。また会議を主催した国会議員や伝統的役職者に対してインタビュー調査をおこない、彼らがエチオピア中央政府の民族政策をどのように解釈しているのかをさぐった。
(3)歴史的記憶の収集:上記の参与観察結果を、よりひろい歴史的文脈において解釈するために、ガブラ・ミゴの歴史的記憶を収集した。資料を収集するに際しては、インフォーマントが誰からその記憶を受け取ったのかに留意した。ガブラ・ミゴは1980年代にソマリアで難民生活をおくったり、エチオピア中央政府に対してゲリラ活動を活発におこなったりしている。インタビューの結果、インフォーマントが持っている歴史的記憶は、その時代に活躍したある特定の人物から継承したものであることが判明した。またこの時代に、歴史的記憶がソマリの影響を受け、再構築された可能性が示唆された。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 曽我 亨: "国家の外から内側へ"佐藤俊編『アフリカの遊牧世界』京都大学学術出版会. 127-174 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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