1.昨年度既発表論文(「戦後直後・松本市における青年団運動」『松本市史研究』第12号)を発展させるため、都市部の青年団文書の調査を継続し、「長野市連合青年団文書」を整理・仮目録を作成した。 2.飯田市中央図書館所蔵の「下伊那郡連合青年団文書」につき目録を作成した。本文書群は『下伊那青年運動史』(国土社)作成の折、収集されたものであるが、既成目録には欠落していたものを整理し、目録に追加した。 3.長野県立歴史館所蔵の「長野県連合青年団文書」が非公開である現状に鑑みて、長野県連合青年団関係の史料は調査できないと考えられたが、個人蔵にかかる長野県連合青年団機関紙『青年長野』および青年問題研究集会関連史料を収集することが出来た。これによって、戦後長野県青年団運動の基本的な流れを1945〜2002年にわたって(1950年代の機関紙には多くの遺漏があるが)通年把握することが可能となった。これにより戦後長野県青年運動における民主主義論や平和運動、青年運動論について系統的な(県連青レベルに止まるが)分析を行うことが出来る。 4.行政文書や区有文書・図書館所蔵にかかる青年団報・雑誌、メリーランド大学G.プランゲ文庫所収の青年団報・雑誌についての目録を作成した。 5.青年団周辺の文化運動については、サークル運動の1つ山脈会、長野県農業近代化協議会関係文書について収集をした。 6.青年団運動から1950年代の青年文化運動(松本葦会)、1960年代のサークル運動論(『山脈』の会)への展開については2002・11開催の思想の科学研究会公開シンポジウムでの報告が「思想の科学研究会会報』に掲載予定。
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