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2002 年度 実績報告書

「神風連の乱」の政治社会史的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13710198
研究機関熊本大学

研究代表者

三澤 純  熊本大学, 文学部, 助教授 (80304385)

キーワード士族反乱 / 神風連の乱 / 散髪脱刀令 / 地方版散髪令 / 帯刀禁止令 / 開明派地方官僚 / 文明開化
研究概要

本補助金を利用した研究により,神風乱(以下,「乱」と略記)をはじめとする不平士族反乱の直接的原因の一つに数えられてきた散髪令の重要性を浮き彫りにすることができた。散髪令は,これまでの風俗史的な興味から「文明開化」研究の一側面として取り上げられるに過ぎなかったが,この研究によって,近世から近代への移行期政治過程においても,近代社会成立期の民衆意識形成においても重大な意義を持つことが確認された。特に1871(明治)年8月9日太政官布告(いわゆる「散髪脱刀令」)を受けて,その後,各府県で発令される地方版散髪令を一つひとつ収集し,整理し,読み解いていくことによってその重要性を明らかにすることができた。
その成果の一部は2002年3月発表の論文にまとめたが,今年度はこれを出発点として研究を進め,所属する大学の講義や集中講義(広島大学)において,その構想を練り上げてきた。その結果,(1)「散髪」をめぐる国家的対応の政治過程に関する論文,(2)地方版散髪令の総括的論文,(3)「散髪」状況と民衆運動・民衆意識との関連性についての論文,という3本の論文に必要な史料収集を終え,執筆の準備を整えた。これらの成果により,「乱」を初めとする不平士族反乱がより幅広い歴史的視野の中で位置付けられるようになり,「乱」と維新政権や民衆との関連性についても,より奥深い理解が可能になるであろう。
今後は,これら3本の論文を早急に完成させることを第一の課題とするとともに,明治初期において,「散髪」と並んで,大き社会な問題となっていた「帯刀禁止」についての研究を推進していく予定である。「散髪」に関する史料収集過程においても,「帯刀禁止」に関わる史料にも目配りを行っており,こうした今後の取り組みにおいても,本補助金を利用して収集した資料群を有効に活用していきたいと考えている。

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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