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2001 年度 実績報告書

ドイツ語の動詞表現における出来事の認知と概念化について-日本語との対照研究-

研究課題

研究課題/領域番号 13710297
研究種目

奨励研究(A)

研究機関琉球大学

研究代表者

野上 さなみ  琉球大学, 法文学部, 講師 (80325828)

キーワード意味論 / 語彙的条件 / sein+P.II / haben+P.II / 主題役割 / 所属概念 / 接頭辞be- / locative alternation
研究概要

ドイツ語における2つの統語構造の解釈を左右する意味論的と語彙的条件を規定することを目的として(1)と(2)で取り扱った2つの研究テーマに関して論文発表が決定している。(3)で述べるテーマについては、来年度も引き続き研究課題とする:
(1)「sein+P.II-構造」の解釈と、動詞に含まれる特定の意味論的性質との関係
状態変化を表す自動詞が「sein+P.II-構造」に組み込まれる時、構造全体が結果相の解釈を受け入れることが可能かどうかは、自動詞の意味構造の内部に特定の性質(Inkrementalitat:状態変化が漸次進行するという性質)が含まれているかどうかによって決定されることを論証した。
(2)「haben+P.II-構造」の解釈と、項の主題役割および所属概念の間の関係
この構造が所有結果相の解釈を受けるための意味論的条件を、(1)構造の主語および目的語項の担う主題役割、(2)この2項の間に存在する関係のあり方という2つの側面から規定した。従来、この2項に「物理的な接触」があることが条件であるとされてきた。本研究では、「物理的な接触」が無くても結果相解釈を受ける例を検証し、この2項の関係がより広い意味で規定される必要があることを述べた。
(3)ドイツ語の基本動詞と複合動詞の関係について
目下取り組んでいるのは、目的語と前置詞句を従えた動詞が接頭辞be-を伴った場合、もとの動詞の目的語名詞句と前置詞句内の名詞句が入れ替わって現われる、いわゆるlocative alternationと呼ばれる現象である。この名詞句の交替は物理的移動を表現する動詞に限られたものではない。さまざまなタイプの交替の例を検証し、接頭辞be-が担う意味論的な役割を体系的に示すことを目的としている。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] 野上さなみ: "ドイツ語の自動詞におけるInkrementalitatについて"古浦敏生先生御退官記念論文集. (未定). (2002)

  • [文献書誌] 野上さなみ: "ドイツ語における"HABEN+P.II-構造"と項の主題役割および所有概念の関係について"西日本言語学会編 機関誌「ニダバ」31号. (未定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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