今年度は基礎的な文献収集、資料調査を行った。またスペインとの比較作業を進めた。とくに、2001年9月〜10月にかけて現地で収集分析作業を行った。 具体的には、国立ナポリ公文書館において、現地研究者や職員の協力を得つつ、19世紀末〜20世紀初頭にかけての<名誉犯罪>に関する警察史料、県庁史料、そして裁判史料等の発掘に成功した。これらの史料に関する本格的網羅的解読作業を、さらに2002年2月〜3月にかけて遂行する予定である。 現時点で新たに判明したことは、警察職員、司法官、弁護士、さらに鑑定人としての医者たちが、陪審員(中産階級)たちに大きな影響を与える存在として浮上してきたことである。今後は法廷内外での言説空間の構造分析を深めたい。
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