研究概要 |
第一に、「人権救済法の立法的課題」研究の前提となる資料の調査・収集・整理をおこなった。国内でアクセス可能な一次資料(判例・立法資料等)・二次資料(論文等)の収集等を行い、不足分に関しては平成14年2月の海外渡航(アメリカ、カリフォルニア州)に際しての資料収集・調査で補足した。第二に、日本での人権救済立法の参考とするため、アメリカの人権救済立法(連邦および各州のCivil Rights Acts)の研究を行った。とくに、この問題に関する系統的研究を行ってきたVirginia Law SchoolのJohn C. Jeffries, Jr. 教授の業績に注目し、いわゆる憲法的不法行為(constit utional torts)に関する各種救済法制の相互関係についての教授の論説が検討に値すると考え、その分析をおこない公表した(「著書紹介-憲法的不法行為の分解-John C. Jeffries, Jr., Disaggregating Constituional Torts, 110 YALE L. J. 259-292(2000)」アメリカ法2001-2号(2001年)所収)。第三に、人権救済法の立法化の基礎となる、立法政策・公共政策のあり方を検討・分析した。とくに、わが国の憲法解釈と立法政策・公共政策との関係に注目し、憲法の変革をともなう政策論とそうでない政策論とを分類し、解釈論と政策論の関係の解明につとめた。憲法解釈と公共政策の関係については、論説にまとめ年度末に公表予定である(「憲法解釈と公共政策」国際公共政策6巻2号(2002年刊行予定)所収)。
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