本研究は、研究代表者がすでにおこなっている事例研究を前提に、実施するものである。この研究における新規の作業の大部分は、それらの事例研究を総合するための説明モデルの形成にあてられる。 「研究計画調書」や「交付申請書」に記載したように、本年度は初年度であり、韓国内の関連諸研究を中心に、直接韓国を対象としていないものも含めて、欧米や日本の研究も部分的に渉猟し、モデル形成の基礎的な作業を試みた。 2001年6月には、これまでの作業の整理の一環をかね、日本比較政治学会2001年度研究大会(神戸大学)において、「『民主化』後における韓国の政党制の変容」という報告をおこなった。そこでの質疑などを踏まえ、9月には韓国への出張により、韓国研究者との意見交換、および資料収集をおこなった。 さらにモデル形成の作業の一部を、10月の日本政治学会2001年度研究大会(立教大学)における「韓国における『反共体制』と市民社会」と題して報告した。その際にも、日韓の参加者との意見交換をおこなった。 以上のような学会報告と意見交換を通じて、作業をさらに進捗させたが、その過程で、歴史的な資料も含めて補足的に当初予想していなかった資料収集を渡米しておこなう必要が生じ、3月に出張をおこなう予定である。
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