本年度は研究の基礎となる雇用、貿易、投資にかかる統計データCD-ROM、論文、本、Econ-lit(経済学論文のCD-ROM)及びNBER Working Papersシリーズの関連論文等資料の収集を行い、収集したデータのもとに、基本的モデルを確立した。 確立した基本モデルでは、2財一般均衡モデルの一部門をハイテク産業(例えば、パソコンの製造など)とした。この部門の労働者は能力に応じた賃金を受け取る、つまり、効率賃金仮説に従うと仮定した。もう一つの部門は製造産業である。例えば、自動車や機械の製造など。この部門における企業は、労働組合に加入している。組合員の雇用と賃金は企業の経営者と労働組合の間で結ばれた協定で決まる。 上記で確立したモデルをもとに、輸入品との競争と直接投資を導入し、国内の雇用と賃金に与える影響の分析を行った。現在、この分析モデルのWorking Paperを作成中である。 また、加えて同様のテーマで研究を行っている国内外の研究者(米国のFlorida大学やIowa State大学やTexas州政府の研究者など、また国内は大阪大学や神戸大学や神戸外国語大学の研究者など)と意見交換などを活発に行ったり、2001年7月末に神戸大学で行われた「國際貿易と動学」をテーマにした学術研究会にも出席し、基本モデルの多面化に対応する要因導入の検討や分析モデルのリアリズム化への付加要因材料とした。 そして、米国の現状と政策について現地調査及び意見交換を行った。
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