研究概要 |
13年度の研究実績:右上がりの供給曲線と右下がりの需要曲線の交点のみが観察されるとき、その交点の変化がどちらの曲線がどれだけシフトしたために引き起こされたかを推定するNonparametricな新しい計量手法を開発した。そして、実質消費支出とその価格指数のパネルデータを用いて、景気変動を引き起こす要因を推定した。これまでの景気変動要因の推定では、(需要、供給)関数形の特定化が必要だが、いろいろな関数形が考えられ、その選択によって推定される要因が異なってしまうという問題が存在した。私の研究では、この問題を回避して、景気変動要因を推定することができた。また、労働時間と賃金のパネルデータを用いて、男女、学歴別に、賃金と労働供給の変動の要因を推定した。男女の違いや学歴の違いによって、賃金の変化が異なる。しかし、観察されるデータが基本的には均衡賃金と均衡労働供給しかないため、その変化の原因が労働供給サイドから来ているのか、労働需要サイドから来ているのかは識別できなかった。私の研究では、この限られたデータのみを使って、賃金変化の要因を推定することができた。 私はこの研究を、2000年7月20-22日の神戸で開かれたFar Eastern Econometric Society Conferenceで発表した。また、Yokohama National University, Discussion Paperとして公表された。
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