平成13年度の研究は、ロシアの電力部門の詳細な統計データ・資料の収集・整理を行い、過剰雇用規模の推計と過剰雇用に伴うコストの計算を行うことが課題であり、具体的には以下の計画に従うこととして研究を開始した。 (1)過剰雇用規模の推計と過剰雇用により生ずるコストの計算 (2)ロシア電力業企業の組織構輩に関する制度的研究の準備。 まず、統計データ・資料については、8月のロシアへの調査旅行の際に、電力・燃料部門に関する統計資料・文献を入手することができた。 また、過剰雇用が生み出すコストの計算するために、電力をはじめとするエネルギー部門全体の価格構造及び価格の変動についてのフォロー・アップを図った。 8月の調査で得られた情報と資料とを踏まえた研究の中間的成果を、11月にワシントンで開催された全米スラブ研究促進学会(AAASS)で報告した上で論文として雑誌投稿する予定で準備をすすめていたが、米国でのテロ事件及びワシントンでの炭そ菌事件等の発生を考慮し、学会参加そのものを取りやめざるを得なかったことは、本研究遂行上、予想外の出来事であった。 現在は、ここまでの研究で得られた統計的な分析に、制度分析の肉付けを与える作業を行いつつ、春の比較経済体制学会第42回全国大会共通論題「移行諸国の産業構造転換」ロシアの産業構造転換パートで「電力・燃料工業と就業構造変化」と題する報告を行うことが決まっているため、その準備をすすめている。
|