今年度は、「国際輸送分野におけるネットワークとハブ(拠点)についての基礎的研究-アジア地域におけるハブ空港・港湾の立地選定問題を中心に-」という研究課題において、幾つかの事例研究を行った。特に、日本・韓国間の航空および航路ネットワークに注目し、国際輸送分野におけるハブ・アンド・スポークシステム(HASS)について検討を行った。そしてこの研究成果を『HUB-AND-SPOKE NETWORKS IN AIR AND MARINE TRANSPORTATI0N BETWEEN KOREA AND JAPAN(Proceedings of the Eastern Asia Society for Transportation Studies)』としてまとめ、東アジア交通学会にて報告した。 この中では、(1) 日本の諸都市とソウル間の航空ネットワークの構造と特徴の把握、(2) 日本の諸都市と釜山間の航路ネットワークの構造と特徴の把握、(3) 韓国系航空および海運企業の日本ルートにおける変遷の概観と考察、等について具体的に研究を行った。 そして、 1.現在の国際輸送体制下での国際輸送市場におけるHASS構築のケースを整理した。 2.韓国系航空・海運企業が構築した日本・韓国間の輸送ネットワークを詳細に分析し、日本における今後の国際航空・空港政策について検討した。 という2点が、今年度の研究成果として挙げられる。 今後は、アジア地域における航空旅客・貨物流動を、他地域との比較の上で詳細に分析し、同地域に於けるハブ配置問題に継続して取り組んでいきたい。
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