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2001 年度 実績報告書

日本企業の流動性資産保有動機の考察

研究課題

研究課題/領域番号 13730070
研究種目

奨励研究(A)

研究機関立命館大学

研究代表者

堀 敬一  立命館大学, 経済学部, 助教授 (50273561)

キーワード流動性 / 設備投資
研究概要

本研究の目的は、日本企業の流動性資産の保有状況およびそれが設備投資や生産などの企業行動に与える影響を考察することである。流動性資産に対する需要を直接的に説明しようとする経済モデルは必ずしも多くはないが、企業金融の分野では流動性資産が企業価値に与える影響やその分配のあり方に関する研究が理論的にも実証的にも既に多数、存在する。また流動性資産の保有水準やその変動が様々な形で生産や設備投資などの企業行動や経済全体に影響を与えていることが指摘されている。このような先行研究と比べた本研究の特徴は以下のように要約される。本研究では特定の仮説を検証するのではなく、先行研究と関係づけながら流動性資産に対する需要と企業行動に与える影響を観測されたデータに基づき、包括的に分析することを目的としている。ただし集計化された時系列データを用いている点で、本研究は流動性資産と企業行動の関係の中でもマクロ的な側面を重視している。
その推定結果によれば、まず売上高から流動性資産へのGrangerの因果性が観測され、さらに流動性資産から設備投資へ、また設備投資から売上高への因果性が観測された。この推定結果は流動性資産や金利の定義に依存することなく頑健であった。したがって売上高の変化が流動性資産の保有量に影響を与え、また資本市場の不完全性が設備投資や金融政策の波及経路に影響を及ぼしている可能性があることが明らかになった。
以上の研究成果は「流動性の経済分析」(東洋経済新報社)の1章として刊行予定である。

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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