1.ωを素数グラフの2を含まない連結成分とする。極大局所ω部分群が常に奇数位数であるような有限単純群の極大局所ω部分群の構造についてベンダー・グラウバマンとファイト・トンプソンによる奇数位数の群の可解性に関する研究をもとに得られている鈴木通夫氏の研究とペーターファルビによる奇数位数の群の可解性に関する研究をもとに得た鈴木氏の結果の一部の別証明について整理、再検討した。これにより極大局所ω部分群の構造を決定する上での問題点が明らかになってきた。この方法をさらに進めて構造を決定していくことが来年度の課題である。 2.散在型有限単純群M_<11>及びM_<12>が位数3^2の基本可換群から自然に構成できることを示した。この方法は他の有限単純群についても有効であると思われる。 3.部分群がどのように群の中に入っているかを見る上で群と群の間の準同型を調べることは重要である。任意の標数の直交群G_nに関して母関数Σ^∞_<n=0>(#{x∈G_n|x^2=1})/(|G_n|)^<(x^n)>を具体的に決定した。これによりこの型の古典群の母関数が完全に決定された。また斜交群の母関数がロジャーズ・ラマヌジャンの恒等式のアンドリュースによる一般化と関連している事もわかった。 4.群と群の間の準同型の個数の評価に関してブラウアーの方法が有効であることを示した。ブラウアーの方法の系としてホールの定理の別証を得た。
|