昨年度に引き続き、弦双対性の最も基本的なものであるT双対性(接空間においては線形空間の通常の双対と対応する)が、複素4次元以下のCalabi-Yau多様体を始めとする低次元のRicci平坦なコンパクトRiemann多様体でどう理解されるかを主題に研究を進めた。特に、代数幾何で通常扱う複素多様体の枠組みから少しはみ出しているSpin(7)多様休・G2多様体(これらの多様体の名前はホロノミー群がその群に一致することによる)のT双対性の次元還元として実8次元以下の多様体のT双対性を統一的に扱えること、及びこれらの多様体をどのように構成するかについて考察をした。 この主題に沿った研究集会としては、3月から4月にかけて約一ヶ月間、ケンブリッジ大学ニュートン研究所における弦双対性・G2多様体・高次元代数幾何を主題としたワークショップに招待され、そこで代数幾何・素粒子物理・微分幾何の研究者と議論を重ねた。それを踏まえて、9月には八ヶ岳高原泉郷において「G2多様休とFano多様体」をテーマとして研究集会「ハヶ岳代数幾何セミナー2002」を共催しおよそ30名の参加者を集めた。その際、研究代表者および主たる講演者である大阪大学の後藤竜司氏などの国内旅費を支出した。また、関連する話題の研究連絡として、島根大学・北海道大学・城崎町立大会議館・京都大学・九州大学へ出張し、その際国内旅費を支出した。 備品として、省スペース型PC(SONY PCG-SRX7S/P一式)を購入した。
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