研究概要 |
平成14年度の研究実績は以下のようである. 1.前年度にひきつづき,アファイン代数曲面,特にQホモロジー平面上の加法群G_aの代数的作用について研究した."trivialなMakar-Limanov不変量をもつQホモロジー平面は,Bandman-Makar-Limanov超曲面の巡回群Z/mによるquotientと同型である"という我々の結果は,対数的Qホモロジー平面についても拡張されるということが,最近Gurjar-Miyanishiによって示された.乗法群G_mについても加法群G_aのときと同様に,G_m作用がアファイン代数曲面を特徴づけるということが言えるのではないかと研究を進めている. 2.dihedral群D_nのベクトル束に由来する作用について調べ,4次元アファイン空間A^4上の線形化不可能なD_nの代数的作用について分類写像を構成した.これまでA^4上に線形化不可能なD_nの代数的作用が存在することは知られていたが,分類はされていなかった.有限群の代数的作用については,いまだほとんどわかっていないといってもよい.このD_nの代数的作用についての結果は、線形化可能性について調べる上でいろいろな示唆を含んでいる. 3.2003年1月6-8日に大阪大学で開催された研究集会"多項式環とその周辺の研究"において,"Families of non-linearizable actions on affine space"と題して講演した. また,2003年1月31日には,フランスボルドー大学代数幾何学セミナーにおいて,"The additive group actions on Q-homology planes"と題して講演した.出席していたボルドー大学のアファイン代数幾何学,変換群論研究者との議論は大変有意義であった.
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