研究概要 |
研究対象は正標数体上定義された代数多様体,特にK3曲面,カラビヤウ多様体と呼ばれるクラスに分類されるものです. 平成12年度研究計画問題 問題1.超特異カラビヤウ多様体の持つ様々な特徴的な性質を見出し整理せよ. 問題2.超特異カラビヤウ多様体とユニラショナルなカラビヤウ多様体との関係を調べよ. これらについて次の結果が得られました. M. Hirokado, Deformations of rational double points and simple elliptic singularities in characteristic p, to appear in Osaka J. Math.. ここでは一般ファイバーが孤立特異点を持つようなファイブレーションについて局所的な振舞を記述しています. 平成13年度研究計画 問題3.正標数カラビヤウ多様体の標数零への持ち上げ可能性について考察せよ. またS. Schroerにより正標数カラビヤウ多様体がアルチンW-代数上変形の障害を持たないためのある種の十分条件が得られたのですが S. Schroer, The T^1-lifting theorem in positive characteristic, to appear in J. Algebraic Geom.. この結果に我々の特異点に関する局所的な変形理論の視点を加えることで問題3について考察を進めます.現在,対象を非特異射影カラビヤウ多様体から,標数零の場合に倣い,ある種の特異点をゆるした射影カラビヤウを扱えるよう検討中です.具体的には端末特異点に相当する特異点を持つものを正標数で考察しています.
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