研究概要 |
弱球等質空間H\G/Pの分類をHが2単純代数群の場合に分類することを目標とした。2単純、3単純概均質ベクトル空間の分類及び、2単純、3単純概均質ベクトル空間の相対不変式の構成及び、その構成段階で出てくる小さい概均質ベクトル空間へのequivariantな全射の考察が必要であるが、それに関して結果を得たが、それについて「研究発表」のところの2編の論文を含む論文に結果をまとめた。Hが単純代数群の場合の木村達雄氏の研究を参考にし、そのなかでも特に重要な2例であるSpin(10)×GL(3),(half-spin)【cross product】Λ1),(SL(5)×GL(3),Λ2【cross product】Λ1)のうち、(SL(5)×GL(3),Λ2【cross product】Λ1)について佐藤文広氏、木村達雄氏、杉山和成氏らとともに詳しい研究を行い、弱球等質空間の理論を用いてその空間に付随するゼータ関数の関数等式のガンマ行列を具体的に計算することが出来た。これらの空間は従来の超局所解析などの方法で計算出来ず、そのために今日まで計算されずに残っていた例であった。具体的には、その空間に付随するゼータ関数を弱球等質空間SL(5)\GL(10)/P_<1,1,1,7>などのEisenstein級数に対応させ、それらを詳しく考察することで、概均質ベクトル空間の理論だけでは見えてなかった隠れた関数等式をみいだし計算するという方法を用いた。これに関しては結果が大変複雑で論文にまとめるのに時間がかかり、まだ論文をまとめている最中である。また、べき零軌道の表現に関連した概均質ベクトル空間について、相対不変式が具体的に構成されていないものが1つだけ残っていたが、それについて、相対不変式を具体的に構成して、べき零軌道の表現と関係した概均質ベクトル空間の相対不変式のリストを完成させた。これについては、後にその空間のb-関数等を計算する予定である。
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