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2001 年度 実績報告書

概均質ベクトル空間のゼータ関数と多重ゼータ値の数論的研究

研究課題

研究課題/領域番号 13740025
研究種目

奨励研究(A)

研究機関近畿大学

研究代表者

大野 泰生  近畿大学, 理工学部, 講師 (70330230)

キーワード概均質ベクトル空間 / 多重ゼータ値 / 線型関係式 / ゼータ関数 / ゼータ函数 / 2元3次形式 / 母関数 / 母函数
研究概要

研究計画に基づいて1年間の研究活動を行った。概均質ベクトル空間のゼータ関数についての研究と、多重ゼータ値についての研究の進展状況は以下に各々記す通りである。本年度の科学研究費の多くを用いて、双方の分野の研究者達と会い多くの研究連絡を行った。特に、1月下旬より二週間にわたり海外渡航を行い、両分野の世界的権威であるD.Zagier教授と詳しい研究連絡を行えたことは非常に有効であった。この他、国内の同分野の研究者と綿密な連絡を取り、課題解明に向け確かな進展があった。
概均質ベクトル空間のひとつである2次の特殊線型群の作用する2元3次形式の空間の類数について、研究代表者が5年前に提出した予想(上越教育大学 中川仁氏により証明)の別証明を考える上で、2元3次形式のゼータ関数を2変数に拡張して捉え、これまで議論していた関数を、この2変数の間にある関係式を与えた特殊な場合として受け止めなおすことを行った。これはZagier教授との共同の作業であり、この観点に基づく数値実験を現在遂行中である。このように拡張して問題を扱うことにより、この関数と2次体あるいは3次体との関連をより詳細に意味付けることが可能となり、中川氏の証明ではまだ明らかになっていない部分の現象の解析が可能となると思われる。多重ゼータ値の関係式については2つのことを行った。重さ、深さ、高さと呼ばれる多重ゼータ値のインデックスに付随する3つの媒介変数を固定した時の和の母関数を構成したZagier教授との共著論文を書き、オランダの学会誌に掲載予定となった。また、以前より研究代表者が予想式を与えていた、多重調和級数(多重ゼータ値の線型結合)の重さと高さを固定した場合の和公式をについて、その母関数を与える2階の微分方程式を立てることに成功した。微分方程式そのものは深さも含めた3変数の母関数に関するものなので、これを特殊化することにより更なる研究進展と成果が期待できる。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] Yasuo Ohno, Don Zagier: "Multiple zeta values of fixed weight, depth, and height"Indagationes Mathematicae. (発表予定). (2002)

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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