研究概要 |
結び目の射影図を3色で塗り分ける,俗にいう結び目の3色問題,に対して考察をした.最近は,これの拡張としてdihedral coveringがある.3色に塗り分けられた結び目に対してこの3色を結び目上分岐する3次元球面の分岐被覆空間を与えるモノドロミーとみなして3次元多様体と関連付ける事ができる.そこで,3色塗りされた3-braid結び目に対して,その分岐被覆空間を決定する簡単なアルゴリズムを与え,その空間がレンズ空間L(p,1)になる事を示した.また,3色塗りされた3橋結び目に対して,3-braidの3色問題,特に色塗りに関して不変なbraidを考える事により,それの分岐被覆空間がまたレンズ空間L(p,q)になることを示した. 結び目解消操作に関する研究では,2000年に平澤氏との共同研究で結び目のゴルディアン複体を定義した.これは0単体を結び目としてn単体はこれらの頂点の結び目が互いにゴルディアン距離が1になる事として定義した.さらにこの複体の次元は無限次元である事を示した.これは,ゴルディアン距離が1である二組の結び目からはじめてその2つの結び目とのゴルディアン距離が1なる結び目を構成して示す.現在は神戸大学の中西氏のアイデアで出発点を任意有限個の結び目からはじめて互いのゴルディアン距離が1となるような結び目の集合を構成中である.これらの応用としてVassiliev不変量とかで結び目解消数が1の結び目で実現できるかなどの問題ができる.
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