研究概要 |
完備非コンパクトリーマン多様体Mと、その中の点oの組(M,o)が、roughly non-negative curvatureを持つとは、[0,∞)上の関数fをf(γ):=min{0,<inf>__<x:d(o,x)=γ> K_M at x}と定義したときに、∫^∞_0γf(γ)dγ>-∞となる時をいうのであった。 本研究の第一の目的は、rougly non-negative curvatureを持つ多様体Mの位相を調べることであった。今年度の研究によって、Mの端点の数に上限が存在すること、そしてその上限は計算できる定数であることが判明した。また、Mは有限連結であることが証明できた。さらに、∫^∞_0γf(γ)dγ>-2πでかつ、Mに直線が存在すれぱ、Mは位相的に、1次元低い多様体と直線の積に分解できることが判明した。 来年度は、Mの各次元のベッチ数の上限が存在するか、また存在するとすれぱ、それは計算できる定数であるかどうかについて調べるとともに、無限遠点の状況について研究を進めて行きたい。これは、total curvatureが下に有限の曲面の研究の一般化になっており、多様体を研究するに当たって意義のあることである。 第二の研究目的は∫^∞_0γf_i(γ)dγが一様に下から押さえられてるような同じ次元の多様体の列{M_i}が、グロモフ=ハウスドロフ距離に関して収束するときにその収束先はどんな特色を持っているか?ということであった。まだ結果といえるものは出ていないが、無限遠点が定義でき、その方面から特色を判別することができるのではないか、という予想がたっている。予想が正しいことを示すのが来年度の目的の一つである。
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