研究概要 |
研究計画に従って,下記の研究成果を得た. 1.準結晶構造の数学的モデルである準周期的タイリングを構成する方法に射影法がある.射影法により得られたタイリングの全体(タイリング空間)は力学系となる。root latticesから射影法により得られるタイリング空間の周期とその最大数を特徴付けた.integral latticesの場合にも同様の結果の成立を示している.成果は論文にまとめ,Hiroshima Math.J.に掲載された. 2.Coxeter群のexceptional foldingに対応して一意的に決まる射影法によるタイリングのシンメトリーがexceptional foldingして得られるCoxeter群を含むことを示した.成果は論文にまとめ,Mem.Fac.Sci.Kochi Univ.(Math.)に掲載予定である. 3.n次元実射影空間のimmersionにassociateした法ベクトル束の自乗が(安定)拡張可能であるための次元の条件ならびにその複素化が拡張可能であるための次元の条件を調べた.成果は論文にまとめ,Hiroshima Math.J.に掲載予定である. 4.その他の準結晶構造の離散スペクトル幾何に関する中間的な成果は以下の口頭発表: ・射影法により得られるタイリング,2001年6月,京都大学数理解析研究所短期共同研究「準周期タイリングとその周辺」, ・無限グラフとしての準周期的タイリングについて,2001年10月,広島大学トポロジーセミナー, ・On aperiodic tilings by the projection method,2001年11月,京都大学数理解析研究所短期共同研究「解析的整数論の新しい展開」. において発表した.
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