(1)巡回(コ)ホモロジーの計算について Lie-Poisson構造の変形量子化によって得られるスター積に関しては巡回(コ)ホモロジーが決定できた。更に、平面の上のquadratic Poisson構造π=(x^2+y^2)∂_x∧∂_yに関するスター積の巡回ホモロジーおよびコホモロジーが決定できた。ついでintegrableならびにunimodularと呼ばれるPoisson構造のクラスについても完全な決定はなされていないが、ホモロジーとコホモロジーの関係が見えてきた。 (2)変形量子化の収束問題について これに関しては高次元のシンプレクティック群の量子化として二次式のスター指数関数の計算を行った。また、球面の変形量子化から構成されるstack(あるいはgerbe)を考察し、齟齬多様体という概念に到達しつつある。gerbeはいろいろな係数を持つ高次元コホモロジーの幾何学的な実現のため提案された概念ともみなすことが出来るし、Chern-Simcms理論の解釈のためにも用いられている。今回の結果は、それ以外の対象から自然にこのような概念が出現したと言うことになる。さらに、二次特性類であるMaslov類との関係がわかりつつある。
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