研究概要 |
本年度は、研究代表者らが提案したPerturbed Gelfand方程式のsimple turning pointに対する精度保証付き計算法をdouble turning pointへ拡張することを試みた。今回検討したPerturbed Gelfand方程式とその領域は以下の通りである。 -Δμ=λexp(μ/(1+εμ))inΩ μ=0 on ∂Ω Ω:={x∈R^n||x|<1}(n【greater than or equal】3) この方程式は、λ,εという2つのパラメータの動きによって解曲線が変化する。この方程式の解については色々と研究されているが、今のところ、精度保証付きでdouble turning pointの値を求めた例はない。 Dobule turning pointの存在範囲を求めるために、double turning pointはそれぞれλ,εを固定して得られる2つのsimple turning pointの接点と見なすことができるという性質を利用し、それらを追跡して2つのsimple turning pointを同時に包み込むような集合を構成する方法を当初は考えていた。しかし、この方法だと莫大な計算時間が必要になると予想される。そこで、本年度はdouble turning pointを直接包み込むような方法を検討した。そのために、double turning pointをregular pointにするような拡大方程式を導入し、その方程式に対して精度保証付き数値計算を行い、Perturbed Gelfand方程式に対してdouble turning pointの存在範囲を求めることに成功した。今回使用した拡大方程式は、double turning pointが存在するための十分条件ではなく必要条件に対応するものなので、存在範囲の候補を求めたに過ぎないが、その値を利用して作成した解曲線を見るとかなり信憑性の高い結果と言える。
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