研究概要 |
凝縮型階層的分類法(以下,AHCA)はクラスター分析の中でも最も良く使われる一連の手法の総称である.AHCAによる分類結果は樹形図で表すことができ,直感的で分かりやすい解釈が可能であるという特徴を持っている.一方,一連の手法といいながらも,その性質は全くと言っていいほど異なり,同一のデータを分析しても,選択する手法により分類結果が大きく異なることが良くある.ここで問題となるのが手法の選択であるが,現在,この手法の選択に関して明確な基準は与えられていない.実際,すべてのデータや分析意図にふさわしい手法が存在するわけではなく,分析者の主観によって手法が選択されている場合も間々見られる. 上述のような現状を踏まえ,本年度は「分類法及び分類結果の総合的な評価法の提案」を目的として研究を行った.具体的には,AHCAの性質であるspace distortion, monotonicity, structureに着目し,これらに関するAHCAの許容性とAHCAを決定するパラメータとの関係に関する新たな定理を与えた.その成果は,Takeuchi Yadohisa and Inada(2001)として公表している.また,この研究と関連して,Functionalデータの分類法に関する新たな手法を提案した(Tokushige Inada and Yadohisa,2001).
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