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2001 年度 実績報告書

シュレディンガー方程式の準古典解析

研究課題

研究課題/領域番号 13740088
研究種目

奨励研究(A)

研究機関東北大学

研究代表者

藤家 雪朗  東北大学, 大学院・理学研究科, 講師 (00238536)

キーワード散乱位相 / Time delay function / レゾナンス / exact WKB法 / FBI変換 / 超局所解析 / 漸近解析
研究概要

研究の概要 研究内容は主に次の二つである.
散乱位相およびtime delay functionの準古典近似
散乱位相は散乱行列の行列式の対数を2πiで割ったものである.散乱行列がunitary作用素であることから,これは実エネルギーEを変数とし,h(Planck定数)を漸近パラメータにもつ実数値関数である.エネルギーEがHamiltonianのcritical valueでないとき,散乱位相に関して,固有値の個数関数の漸近挙動に関するWeylの公式と類似の公式が成り立つことが知られている.本科学研究費による研究では,一次元の場合にexact WKB法を用いて,Hamiltonianの鞍点の近傍における散乱位相,およびそのエネルギーに関する導関数であるtime delay functionの非Weyl型漸近公式を導いた.
Homoclinic軌道が生成するresonancesの漸近分布
散乱行列の極であるresonancesは,本質的に,Hamiltonianから定義される古典軌道のうち閉であるものによって生成される.その閉軌道がhomoclinicである場合のresonancesの漸近分布を,一次元の場合にexact WKB法を用いて明らかにしたT.Ramond氏との共同研究があるが,本科学研究費による研究では,これを多次元の場合に拡張することをM.Zerzeri氏と共に試みた.多次元ではexact WKB法は使えない.その代わりとして,複素相関数のFourier積分作用素であるFBI変換を用いるのが有効であるとの考えに至った.それは,位置と運動量の空間である相空間を位置の複素空間に正準変換し,その上に変換された閉軌道上で解が一価正則であるという条件が,resonancesの量子化条件を与えるという超局所解析のアイデアである.

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] S. Fujiie, T.Ramond: "Semiclassical phase shift and time delay at a barrier top for the radial Schrodinger equation"Vietnam SAMM Monograph.

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公開日: 2003-04-03   更新日: 2016-04-21  

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