研究概要 |
本研究のテーマは波動方程式∂^2_tu=Δuと熱方程式∂tU=ΔUとを補間する,形式的には"∂^<1+α>_tU=ΔU" (0<α<1)と書ける積分微分方程式に非線形項を加えた方程式の解析である。 論文"Space-time estimates of …"においては,この方程式の初期値問題を扱い,初期函数の空間と非線形項,そして方程式の線形部分のパラメータαとがある関係をみたすならば時間局所解が構成できることを示した。また,非線形項の形が同次形なら同様の条件で初期函数が小さいときには時間大域解が存在することも示せる。 さらにくわしい結果を得るには、線形部分の基本解の形状を見てやる必要がある。現在進行中の研究によって、基本解の原点および遠方での漸近挙動が解析できている。特に原点においては、空間次元が2次元以上の場合に基本解は特異性を持つが、その発散の度合がO(|x|^<-n+2>)(n【greater than or equal】3), O(ltg|x|) (n=2) (ただしnは空間次元)であることが示される。 これは線形方程式がある程度のSwitching effectを持っていることを示している.
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