1.Painleve方程式の高次元への自然な拡張であるGarnier系に対して、線形q-差分方程式の変形理論から、その差分化を得ていたが、この式は双有理変換の形で定義されていなかった。今年度の研究で、従属変数の対称式について書き直すことで、双有理理的な式に書くことができた。式の形が簡単になったこともあり、平行移動部分の対称性については決定することができた。(以前の結果と合わせて、論文準備中) 2.離散Painleve系の中で、最も一般な場合とされるE_8^<(1)>型の対称性をもつ曲面に対応した差分系について、東大の学生の米田、村田両氏との共同研究でいくつかの特殊解が得られた。これらの中には、超幾何関数をその退化系列の中に含むような線形差分方程式で記述される場合も入っている。(以前からの結果と合わせて、論文を準備中) 3.Painleve微分方程式の双有理的でない代数的対称性について、Folding変換というクラスを設定し、それをリスト・アップした。これは岡本、津田両氏との共同研究(論文準備中) 4.Painleve微分方程式の中で、III型の特殊な場合について、それまでの多くの研究ではリストから落ちていたもの(初期値空間、対称性、Hamilton形式など)に関して計算を補い、同様の理論がつくれることを確認した。これは岡本、大山、川向各氏との共同研究(論文準備中)
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