研究概要 |
私は,研究課題「V字型進行曲面波の漸近安定性」について,2001年に,このような解が存在すること,速度を決めるごとにこのような解が一意であること,またその漸近安定性を示しました.漸近安定性については遠方で減衰する摂動に対してのみ示しています.一方,この条件をはずすと,さいしょに与えられた摂動が増幅しないが,時間とともに消滅することもない例,すなわち進行曲面波が漸近安定とならない摂動の例を構成しました. V字型進行曲面波を初等関数を用いてexplicitに表示することができ,これがある極限操作のもとに平均曲率流におけるGrim-Reaper解に収束することがわかりました. これらの結果については,別紙にある通り,国際学術雑誌Methods and Applications of Analysisに掲載受理されております.また口頭発表については,2001年7月11日から18日にカナダのBritish Columbia大学で行われた国際研究集会集会で発表し,つづいて,7月27日から31日にかけて同じくカナダのWestern Ontario大学で行われた国際研究集会でも発表しました.3週間ほどのカナダ滞在中,F.Hamel氏やH.Bcrestycki氏とディスカッションし情報交換を行いました. 国内の発表については,10月3日より6日にかけて九州大学で行われた日本数学会秋季総合分科会において一般講演を行いました.また11月1日より2日に東北大学で行われました研究集会「仙台非線形偏微分方程式ワークショップ」においても結果を報告しました.東北大学の柳田先生や横浜市立大学の栄先生達とディスカッションさせていただきました. 2002年についても引続き研究を進めて参ります.
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